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関西共同行動ニュース No98
●祝園(ほうその)弾薬庫増設問題について 【京都・祝園ミサイル弾薬庫問題を考える住民ネットワーク】
精華町議会議員 神田高宏 

■祝園弾薬庫増設問題の現状

 近畿中部防衛局は、7月1日、京都府精華町議会の議員に対し「陸上自衛隊祝園分屯地における火薬庫等整備に係る工事について」説明しました。7月24日、26日に町民に説明する内容を事前に議会に報告したものです。8月には造成工事に入り、火薬庫、倉庫等の本体工事を2027年度までに終えるとしています。




 議員として、近畿中部防衛局に10数項目の質問、要望を提出しましたので2点を報告します。

①「なぜ、祝園分屯地に火薬庫を整備するのか」説明されているが、国際人道法(ジュネーブ条約第1追加議定書)の「軍民分離」は考慮しているか。ジュネーブ条約については答える立場にないとのことではなく、日本も批准している条約である以上、国としてしっかりと答えて欲しい。

②「ミサイルが発射可能な装備・装置もなく、(ミサイル)配備する計画もありません」とあるが、12式地対艦誘導弾は発射装置が車載式であり、分屯地に発射車両が来れば発射可能と理解するがいかがか。 ミサイルについては発射装置の有無に関わらず、ミサイル単独であっても保管されることは地元にとって大きな脅威であるので、保管、配備しないことを約束して欲しい。

■ほうそのネットの取組と広がり

①5月24日、日本平和委員会全国大会(京都市)に呼んでいただき、「ほうそのネット」のパンフレット「学研都市にミサイル弾薬庫!?」を寸劇(3人)で紹介しました。

②5月26日「戦争とめよう!つながり平和をつくろう! ZENKOスピーキングツアー」京都集会で、祝園弾薬庫増設問題と議員当選を報告しました。

③6月6日「戦争止めよう!沖縄・西日本ネットワーク」の政府交渉(衆議院会館)、6月7日交流集会に現地参加し祝園弾薬庫の増設問題を全国に訴えることができました。

④6月15日「ほうそのネット」学習会&総会には250人の方が参加いただき、布施祐仁さんからは、「弾薬庫増設のねらいと危険性」や、米中どちらの側にもつかず間に入って米中の緊張緩和をはかろうとしているASEANのこと等を学び、以下の方針を確認しました。

(ⅰ)単なる工事説明会でなく総合的な説明を求める、
(ⅱ)造成工事が強行された場合は抗議行動を行う、
(ⅲ)10月に祝園現地で大集会を行う

■精華町議選を通して、議員として

 ①5月の精華町議会議員選挙において、無党派で基礎票のない新人ですが当選できましたのは、「ミサイル弾薬庫は要りません」と訴え、町民の皆さんが弾薬庫増設(ミサイル保管)について、関心を持っておられ防衛省への思いを託していただいた結果と理解しています。

 ②6月議会では、陸上自衛隊祝園分屯地における弾薬庫の増設、安全対策について町長に質問しました。

 ★神田:防衛省は、「現在、火薬庫8棟及び倉庫等の整備に着手していますが、これに加え、今後、新たに6棟の火薬庫を整備する予定です。」と公表しています(2024年12月)。「ほうそのネット」が近畿中部防衛局に、今後さらなる増設の計画はあるかと質問しました。

防衛局の回答は、「今後の新たな火薬庫の新設については、部隊運用上の利便性や各自衛隊施設の用地の地積など、総合的に勘案して整備場所を検討しているところであり、現時点で確たることは申し上げられません。」というものです。

 広大な用地を有する祝園分屯地に、今後さらに増設される可能性があることについていかがお考えですか。

 ★答弁:現在のところ、さらに新たな火薬庫等の増設に係る説明は受けておらず、臆測に基づいての答弁はいたしかねます。

 ★神田:臆測で答弁できなくても、防衛省はまだ追加を言ってくる可能性があり、それに対してどのように対応するのか、町内部でじっくりと事前検討してもらいたいです。

 ③6月議会の総務事業委員会で、2件の請願が審査されました(6/18)。

➡「祝園弾薬庫増設計画全体についての住民説明会を求める意見書を防衛省に提出する請願書」=委員7人中、神田含め4人の賛成で採択されました。町民の声が議会を動かしました!

 7月1日の会議では残念ながら、意見書賛成少数で不採択です。

➡「長射程ミサイルを保管しないよう国に意見書提出を求める請願書」=賛成しましたが、残念ながら賛成少数で不採択です。

 祝園弾薬庫に敵基地攻撃能力を持つ長射程ミサイルが保管されようとしていること、その問題点を引き続き追及します。


6月15日 ほうそのネット 学習会&総会&ピースパレード(撮影:細川義人)