給油艦「ペコス」と米海軍補給艦群 現在、国会予算委員会で「テロ特措法」延長等を巡り論戦中です。この中で海自補給艦「ときわ」から米給油艦「ペコス」に燃料給油され、それが更にイラク空爆に参加した空母「キティホーク」に燃料補給されたことが問題となっています。 いわゆるこの「転用疑惑」は福田首相の官房長官時代からあり、「朝生テレビ」の江田議員発言で問題となり、更にピースデポ梅林さんによる、米情報公開資料調査でより明らかになりました。 ところで、これらをめぐる報道で度々艦名が挙げられる「ペコス」とはどんなフネか、また米海軍の洋上補給体制はどんなものかなど、参考までに以下のように列記しました。出所は市販雑誌『世界の艦船』(海人社刊04年 4月号)特集「アメリカ海軍のすべて」、その他からです。(なお、10年前同社発行『アメリカ海軍ハンドブック』と現有数などはそれほどの変わりはないようです。 ------------------------------------------------ ◆給油艦「ペコス」ほか(ヘンリーJ.カイザー級) 4万700トン、全長約207M、幅約30M、全14隻 補給燃料搭載量約3万KL ※同じく「間接給油」したとされる「ジョン・エリクソン」も同型艦。 給油艦「ペコス」は、補給艦「ときわ」の約5倍の大きさとなります。 ◆給油艦「シマロン」ほか(シマロン級) 約3万8000トン、全長216M、幅27M、全5隻 補給燃料搭載量約2万KL ◆高速戦闘支援艦(サプライ級)※洋上補給艦 約5万トン、全長230M、幅33M、全4隻 ◆高速戦闘支援艦(サクラメント級)※洋上補給艦 5万トン〜5万4000トン、全長242M、幅33M、全4隻 補給燃料量約3万KL、弾薬約2000トン、糧食500トン積載 ※一個空母戦闘団の必要とする物資を補給 ◆給兵艦(キラウエア級) 約2万トン、全長172M、幅25M、全6隻 ※原子力空母2隻分の航空機弾薬、ミサイルなど高速移送 ◆戦闘給糧艦(シリアス級)(マーズ級) 約1万7000トン、全長約170M、幅24M、計6隻 ※一般消耗品、冷凍・液体貨物等約7000トンの物資を移送 ◆貨物弾薬補給艦(ルイス・アンド・クラーク級) 3万6000トン、全長210M、幅32M、全2隻 ※弾薬を含むドライカーゴ6000トン補給 ----------------------------------------- 艦種とクラス 基準排水量t 満載排水量t 全長× 幅× 吃水m ◆米給油艦「ペコス」型 ------ 40.700 206.5×29.7×10.9 <海自の補給艦> ◇補給艦「ましゅう」型(ましゅう、おうみ) 13.500 25.000 221.0×27.0× 8.3 ◇補給艦「とわだ」型 (とわだ、ときわ、はまな) 8.150 12.150 167.0×22.0× 8.2 ●揚陸艦「おおすみ」型 8.900 14.000 178.0×25.8× 6.0 ※「とわだ」型一番艦は少し小さめです。なお、「ペコス」型全14隻のうち、 最近の4隻は4万2000トンです。何れも雑誌『世界の艦船』より。 ----------------------------------------- ★10万トン級原子力空母が12隻、8万トン級通常空母が2隻、これら各空母戦闘群の機動を支える米海軍の補給体制は、海自とは桁違いに大規模なものだ。手を回して国連決議に潜り込ませたり、80万ガロンを20万ガロンに誤魔化すなど、ほんとはアメリカにとっては些細なことだが、外交上の都合で口裏をあわせているに過ぎない。「嘘つきは戦争の始まり」----歴史は立証している。 ★このところNHKは深夜「兵士たちの戦争」証言シリーズを放映している。「自活・現地調達」という方針は、兵士たちを強盗略奪集団に変えた。それでも何もなくて餓死者や耐えきれず自殺者が続出、果ては人肉まで食べた。彼らの願望は「まともな戦争をして死にたい」だった。「補給・後方支援は武力行使に当たらない」論など、餓死戦場の体験者にとってはアホみたいなものに写るだろう。 ★いわゆる「沖縄密約」の証拠は米情報公開ではっきりしているのに、政府は今だに認めようとしない。米情報公開による「航海日誌」も担当者がウソを書いたというのであろうか。「嘘つき政府の真っ黒な真実」と言うべきか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ●報道ステーションの特集Youtube http://jp.youtube.com/watch?v=R6BA2qqc2Oo ●ビースデポのサイト http://www.peacedepot.org/media/pcr/mediarelease3/oil.htm 07/10/11 W |
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